東京地方裁判所 昭和55年(特わ)41号 判決 1980年2月25日
本店所在地
東京都中央区八丁堀三丁目八番二号
名称
有限会社 光璋堂
代表者
代表取締役 今成正治
本籍
東京都中央区八丁堀三丁目四番地
住居
同都同区八丁堀三丁目八番二号
職業
会社役員
今成正治
大正三年一一月二三日生
右両名に対する各法人税法違反被告事件につき、当裁判所は検察官江川功出席のうえ審理し、次のとおり判決する。
主文
被告会社有限会社光璋堂を罰金三二〇〇万円に
被告人今成正治を懲役一年六月に
それぞれ処する。
被告人今成正治に対し、この裁判確定の日から三年間右懲役刑の執行を猶予する。
理由
(罪となるべき事実)
被告会社有限会社光璋堂は、東京都中央区八丁堀三丁目八番二号に本店を置き、額縁の製造販売等を目的とする資本金八四〇万円の有限会社であり、被告人今成正治は、被告会社の代表取締役として同会社の業務全般を統括しているものであるが、被告人は、被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、売上の一部を除外するなどの方法により所得を秘匿したうえ
第一 昭和五一年三月一日から同五二年二月二八日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が一〇八、〇九二、四四〇円(別紙(一)修正損益計算書参照)あつたのにかかわらず、同五二年四月三〇日、東京都中央区新富二丁目六番一号所在の所轄京橋税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が二〇、一六六、一六七円でこれに対する法人税額が六、四七六、九〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により同会社の右事業年度における正規の法人税額四一、五五二、四〇〇円(税額の算定は別紙(三)ほ脱税額計算書参照)と右申告税額との差額三五、〇七五、五〇〇円を免れ
第二 昭和五二年三月一日から同五三年二月二八日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が二一〇、二二七、四八九円(別紙(二)修正損益計算書参照)あつたのにかかわらず、同五三年四月二八日、前記京橋税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が三一、五八五、三〇七円でこれに対する法人税額が一〇、二四四、九〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出してそのまま法定納期限を徒過させ、もって不正の行為により同会社の右事業年度における正規の法人税額八一、五七五、二〇〇円(税額の算定は別紙(三)ほ脱税額計算書参照)と右申告税額との差額七一、三三〇、三〇〇円を免れ
たものである。
(証拠の標目)
判示全般の事実につき
一 被告人の当公判廷における供述及び検察官に対する供述調書(三通)
一 山田良子、山田昶の検察官に対する各供述調書
一 登記官作成の登記簿謄本
一 押収してある昭和五二年二月期法人税確定申告書一綴(昭和五五年押第二五七号の四)、昭和五三年二月期法人税確定申告書一綴(同押号の六)
別紙(一)、(二)の修正損益計算書に掲げる各勘定科目別当期増減金額欄記載の数額について
<各別紙<1>につき>
一 収税官吏作成の売上高勘定調査書(以下の調査書も作成者を記載したものを除き、収税官吏の作成)
一 売上調査書(二通)
一 売上認定損調査書(二通)
<各別紙<3>、<11>につき>
一 商品棚卸高調査書
<各別紙<5>につき>
一 仕入勘定調査書
一 架空仕入調査書(二通)
一 仕入調査書(三通)
一 簿外仕入調査書
<各別紙<13>、<24>につき>
一 給料勘定調査書
一 厚生費勘定調査書
<各別紙<33>につき>
一 支払手数料調査書(三通)
<各別紙<34>につき>
一 受取利息調査書
一 預金及び受取利息調査書
<各別紙<36>につき>
一 雑収入勘定調査書
一 受取配当金勘定調査書
一 債権調査書
<別紙(一)の<53>につき>
一 繰越欠損金控除額調査書
<別紙(二)の<39>につき>
一 雑損調査書
<別紙(二)の<47>につき>
一 検察事務官作成の捜査報告書
(法令の適用)
被告会社につき
各法人税法一五九条、一六四条一項。刑法四五条前段、四八条二項
被告人につき
各法人税法一五九条(いずれも懲役刑選択)。刑法四五条前段、四七条本文、一〇条(犯情の重い判示第一の罪の刑に法定の加重)。同法二五条一項
(裁判官 須田贒)
別紙(一)
修正損益計算書
有限会社 光璋堂
自 昭和51年3月1日
至 昭和52年2月28日
<省略>
別紙(二)
修正損益計算書
有限会社 光璋堂
自 昭和52年3月1日
至 昭和53年2月28日
<省略>
別紙(三)
ほ脱税額計算書
有限会社 光璋堂
1. 自 昭和51年3月1日
至 昭和52年2月28日
<省略>
2. 自 昭和52年3月1日
至 昭和53年2月28日
<省略>
合計
<省略>